大江の宝掘りおこし隊

私は今年6月から8月まで、左沢百目木の元屋敷で中世の住居跡の発掘調査に携わりました。酷暑のなか、町外の方々と協力しながら作業を進めました。現地では中世の住居跡や井戸跡、食器など沢山の遺構が発見されました。その頃の先人達は、今と変わらぬ最上川の川面を眺めながら、どんな風に生活していたか。彼らの日々の営みを想像すると感慨深いものを感じました。それから5世紀後の今日、彼らの子孫として我々大江町民が存在するわけですが、翻って現在の我々は子孫にどんな宝を残していけるのか、考える必要があると思います。
皆さんは「大江の宝」とは何だと思われるでしょうか?

●重要文化的景観として国も認めた左沢の町場の風景
●最上川舟運の中継地点として栄えた歴史
●山形県を代表する民謡「最上川舟歌」発祥の地
●七軒のアオソ、ロウ、養蚕等の栽培の歴史
●姫小百合が彩る大山自然公園からの朝日連峰の絶景
●古寺渓谷と大頭森のパノラマ
●本郷地区のラフランス、スモモ、サクランボ、リンゴなどの豊富な果樹と米
●七軒の西山杉と豊かな山の幸

等々沢山の事柄が思い浮かびます。

でも私が一番の宝だと思うのは、町民の皆様一人ひとりだと思っております。
町民の皆さんが生き生きと元気で生活し、笑顔で毎日を過ごすことが我々にとっても最大の宝だと思います。

戦時中縁あって大江町に疎開した橋田寿賀子先生は、左沢に逗留されました。
地元の古老から取材し、昭和初期の日本が貧しさのどん底にあった頃、大江の町民の赤裸々な現実と日々の生業を描写した「おしん」は世界中に希望を与えたと思います。
なにより人々の胸を打つのは、今が苦しくとも明日を信じて懸命に生きるその姿です。
けっして人を裏切ったり、出しゃばったりしないが、誠実に正直に他者に温かく接する大江の人々を描いた作品に、国境はありません。
我が故郷の生んだ「おしん」は、国内では全国区の知名度を誇っており、東南アジアインド中近東等海外で現地語として定着しております。世界中の中高年の方に対し、最大のコンテンツであることは確かです。

その宝を再活用し、沢山の観光客に
「よくござったなっすぅ・・・」「まだ来てけろなぁ・・」と笑顔とともに優しくもてなすことで、結果的に我々の繁栄に繋げることが可能となります。
そのためには、環境を整え、観光資源を更に磨くことが重要になりますが、もっと
大事な点は、町外への再度のアピールです。
ここ大江でしかない昔からの伝統料理や、県内最古の花火大会、大江の人情等は癒しを求めている町外、県外、首都圏、海外客にとって最高のコンテンツといえます。

まさに今、大江ブランドとして、まだ姿を現していない宝を我々が再度掘り起こすタイミングと考えます

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